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シャフトグラファイトデザイン

ツアーAD VFシャフト【4つの重要ポイント】特徴と適合ゴルファーを解説

グラファイトデザインから発売のツアーAD VFシャフト。

前作のツアーAD CQが先調子系だったのに対して、ツアーAD VFは元調子系で反対の特徴となっています。

Victory Forceの頭文字をツアーAD VFについて、4つのポイントで解説していきます。

ポイント① 元調子系で、打出しの高さを抑えてある

出典:グラファイトデザイン公式HP

前年のツアーAD CQは、近年のヘッドが低スピン傾向に対応していて、球の上がりやすさ・スピンの入りやすさを持たせた先調子系のシャフトです。

一方、後継のツアーAD VFは、スピン量も抑えて低い弾道が出やすい元調子系のシャフトです。

打出しの高さとスピン量に関して言えば、CQとVFはツアーADの中でほぼ対極に位置する特徴を持っています。

日本の公式サイトでは、他モデルとのスピン量の違いについては触れられていませんが、USサイトではマトリクスで示されています。

出典:proschoicegolfshafts.com

打出しの高さは、過去10作の中でずば抜けて低く抑えられていて、スピン量についても、UBより若干低スピン性能が上回りますが、VF、DI、UBはほぼ同じぐらい低スピンのシャフトです。

打出しの高さだけでなく、スピン量も抑えられますので、打ち出した後の揚力も抑えられ、お辞儀しやすい弾道になります。

そのため、基本的には自分で球を上げられる方、ヘッドスピードが速くて吹け上りを抑えたい方向けのシャフトです。

ポイント② 切り返しは早めの方がタイミングが合いやすい

▼VF類似シャフトの剛性分布の比較

シャフト BUTT MID TIP
VF 3+ 2 4 4 5
UB 2+ 2+ 2+ 3 4+
XC 1 2 4 3+ 4
DI 2 2 2 2 4

※太字はキックポイント

ツアーAD VFは、メーカーも元調子系と表現していますが、キックポイントは中元です。

VFと似たシャフトとしてUB、XC、DIなどが挙げられますが、この中で中元なのはXCのみで、UBとDIは中調子です。

そして、剛性分布を見ると違いが分かりやすいのですが、上記の4種類の元調子系のシャフトの中で、キックポイントよりも手元側の剛性を高めてあるのはVFのみとなります。

キックポイントとその前後で、剛性にメリハリを持たせてありますので、ゆったりとタメをつくるタイプのシャフトではありません。

その意味では、トップでの切り返しが早めか普通ぐらいの方がタイミングを取りやすいシャフトです。

ポイント③ 先端が硬いため、振り遅れが解消される

ツアーAD VFは、シャフトのマトリクスを見るとハードヒッター限定のハードな印象を受けると思います。

実際にはそこまでハード一辺倒ではなく、フェードバイアスがさほどきつくないのもあり、アベレージゴルファーの方でも特徴・スペックさえ合えば十分に扱える可能性があるシャフトです。

ポイント②で挙げた切り返しの速い方に加えて、もう一つフィットしやすいのが振り遅れるタイプのゴルファーです。

それではもう一度剛性分布を見てみましょう。

▼VF類似シャフトの剛性分布の比較

シャフト BUTT MID TIP
VF 3+ 2 4 4 5
UB 2+ 2+ 2+ 3 4+
XC 1 2 4 3+ 4
DI 2 2 2 2 4

※太字はキックポイント

先程は、VFのみ手元側が硬くなっている点に触れましたが、次に注目するのは中~先端です。

VFは4-4-5と極端に中から先を硬くしていることが分かります。技術的にはトレカT1100Gという高強度の炭素繊維素材が中~先端に掛けて使用されています。

これは、先側の安定感を持たせていて、当たり負けしない、先が動き過ぎないという特徴を産み出します。

それと同時に、硬さがしっかりあることで、しなりによる先端の遅れが生じにくくなっていますので、切替し後にヘッドが遅れてくるのを抑えてくれます。

▼ツアーAD VFの適合ゴルファーを解説

こちらの動画でも振り遅れる方との相性の良さについて解説されています。

切り返した後、タイミング取ってから、ビュンと倍以上にシャフトが戻ってくる。

VFは振り遅れないようになっている。

▼ツアーAD VFとDI、VCとの違いを試打解説

こちらは試打ラボしだるTVさんにて石井プロが試打・解説している動画です。

DIよりはちょっと戻スピードが速い。

XCとかDIみたいにずっと来ないという感じよりは、ぐっとタイミング貯まりながらも戻ってくる速度がある。

試打した感想として、VFと同系のXC、DIとの違いとして、こちらもシャフトの戻りの良さを指摘されています。

もちろん低弾道・低スピンというVFの基本性能とのマッチングが有った上でですが、ヘッドが遅れて来てしまうという悩みを抱えられている方は、中から先端の硬さが解決してくれる可能性があります。

ポイント④ 先端が暴れず、力が伝わり弾道が安定しやすい

最後に弾道の特徴をまとめておきます。

  • 低弾道
  • 低スピン
  • ややフェードバイアス

低スピン・低弾道、そして、先が硬いシャフトとなると、球のつかまりが極めて弱い印象を受けると思います。

出典:グラファイトデザイン公式HP

しかし、もう一度、ツアーADシャフト10本のマトリクスを見て分かる通り、フェードバイアスはそれほどきつくありません。

それがこのシャフトの不思議なところではありますが、実際、試打した結果としては、どうにもつかまらない、右に抜けるという感じは弱いです。

さらに、中から先にかけて剛性がほぼ一様に高めに設定されていますので、当たり負けせずに力がしっかりと伝わり、弾道が安定しやすいという特徴があります。

対象ゴルファーまとめ

ツアーAD VFシャフトについて、4つの特徴を解説しました。

  • 元調子系で、打出しの高さを抑えてある
  • 切り返しは早めの方がタイミングが合いやすい
  • 先端が硬いため、振り遅れが解消される
  • 先端が暴れず、力が伝わり弾道が安定しやすい

前作のCQとは真逆と言っても良いようなシャフトですが、ハード寄りながらもXCやDIとは違った特徴を持っています。

対象ゴルファーとしては、主に以下の特徴を持った方になります。

  • 低く打ちたい方、吹け上がりを抑えたい方
  • 切り返しがどちらかと言えば早めの方
  • 振り遅れに悩んでいる方
  • 当たり負けせず分厚く捉えたい方

該当される方は、是非、試打して相性を確認してみてください。

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