ヤマハから発売の2026年モデルのドライバー「RMX DD-1」と「RMX DD-2」について、構造・性能・対象プレーヤーの違いを整理しました。
RMXの2026年モデルは、DD-1とDD-2の2タイプ
▼左がDD-1、右がDD-2
ヤマハの「RMX」シリーズは2年サイクルでリニューアルされています。
前作の2024年モデルでは、RMX VD/R・VD/M・VD/Xの3タイプがラインアップされていましたが、今作の2026年モデルではDD-1・DD-2の2タイプに集約されています。
<前作との継承関係>
- RMX VD/R(最もアスリート向け)
- RMX VD/M(バランス型アスリート向け) → RMX DD-1 に統合
- RMX VD/X(ややアスリート向け・つかまり重視) → RMX DD-2 に継承
ヤマハは、アスリート向けの「RMX」と、アベレージ層向けの「inpres」の2ブランドを展開しています。以前は対象ゴルファーに明確な差がありましたが、近年は両ブランドともに“中庸”な方向にシフトしていて、性能の境界がなだらかになってきています。
<対象ゴルファー>
- RMX DD-1:中・上級者向け。操作性と強弾道を重視
- RMX DD-2:中級者〜アベレージ層向け。やさしさと直進性を重視
どちらも“やさしい方向”への進化が見られるのが今作の特徴です。
RMX DD-1・DD-2ドライバーの違い
①ヘッド形状・構造の違い
▼左がDD-1、右がDD-2
こちらはクラウンの映像を並べたものです。
左のDD-1の方は”逃げ顔”・”洋ナシ”の典型的なアスリート向けのヘッド形状で、操作性を求め、左を嫌う方に適しています。
右のDD-2の方は”丸型”で、寛容性と直進性を求める方に適しています。
▼左がDD-1、右がDD-2
こちらはヘッドの横から見た映像を並べたものです。
DD-1はディープなのに対して、DD-2はシャローで後方が長く取られています。
ディープな方(DD-1)は重心が浅く・低くなりやすいため、操作性と低スピン性能に優れて、強い球が出やすいのが特徴です。
シャローな方(DD-2)は重心が深く・高くなりやすいため、寛容性とスピンによる浮遊力があり、球が浮いて直進性に優れた弾道で飛ばしやすいのが特徴です。
②弾道の違い
タイプ | DD1 | DD2 |
---|---|---|
寛容性 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
操作性 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
高さ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
つかまり | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
RMX DD-1|操作性と強弾道を求める中・上級者向け
ヤマハのドライバーの中では最もアスリート寄りの設計ですが、前作よりも“やさしさ”が加味されています。
具体的には、寛容性が向上していて弾道がニュートラルで、上級者だけでなく中級者にも扱いやすいモデルです。
ただし、超低スピンでピーキーな荒々しさを求める方にとっては、やや物足りなさを感じる可能性も。そのような方には、前作の「RMX VD/R」の方がフィットするかもしれません。
RMX DD-2|やさしさと直進性で飛ばす中級者〜アベレージ向け
「つかまりとやさしさで飛ばす」というキャッチコピーの通り、DD-2はアスリートブランド「RMX」に属しながらも、アベレージゴルファーにも十分扱いやすい設計となっています。
高弾道・高寛容性・ほんのりとしたつかまり性能により、ミスへの許容度が高く、安定した飛距離を出しやすいのが特徴。弾道がブレやすい方、高さを求める方が扱いやすくなっています。
③調整機能の違い
▼左がDD-1、右がDD-2
前作ではRMX VD/RとVD/Mにウェイト調整機能が搭載されていましたが、今作ではDD-1とDD-2の両方に搭載されています。
- DD-1:ニュートラル/ドロー/フェードの3ポジション
- DD-2:ニュートラル/ドローの2ポジション
どちらも10gのウェイトが装着されていて、脱着・移動することで、弾道のつかまりや方向性を調整することができます。ウェイトは別売りで4g・6g・8g・12gがあります。
可変スリーブについては、前作に引き続いて基本搭載されていて、ロフト角・ライ角の調整が可能となっています。

【余談】
前作ではスライダー式ウェイトだったが、重量が嵩張るため、多くのメーカーで廃止傾向にある!
④スペックの違い
タイプ | DD1 | DD2 |
---|---|---|
ロフト角 | 9°、10.5° | 9°、10.5° |
ライ角 | 59.5° | 59.5° |
ヘッド体積 | 450cc | 460cc |
長さ | 45.5” | 45.5” |
クラブ重量 | 310g | 310g |
ウェイト重量 | 10g | 10g |
シャフト重量 | 60g | 60g |
調子 | 中 | 中 |
トルク | 4.9° | 4.9° |
バランス | D2 | D2 |
*TENSEI FR 60(S)シャフト装着時
ロフト角・ライ角・長さ・重量などは両モデル共通ですが、ヘッド体積に違いがあります。
- DD-1:450cc
前作「RMX VD/R」が445ccだったのに対し、わずかにサイズアップ。操作性を保ちつつ、寛容性を高めた設計。 - DD-2:460cc
最大体積で安心感のあるヘッド。ミスへの許容度が高く、弾道がブレにくい。
このサイズ差は、ターゲットゴルファーの違いを象徴しています。DD-1は中・上級者が叩ける設計、DD-2はアベレージ層が安心して振れる設計。また、両モデルともに中調子・トルク4.9°・バランスD2と、振りやすさと安定性のバランスを意識したスペック構成になっています。
シャフト | 硬さ | 重量 | トルク | 調子 | バランス |
---|---|---|---|---|---|
TENSEI FR 60 | S | 60g | 4.9° | 中 | D2 |
TENSEI GR 50 | S | 53g | 5.6° | 中 | D2 |
〃 | SR | 51.5g | 5.6° | 中 | D2 |
〃 | R | 50g | 5.6° | 中 | D2 |
どちらのタイプも2種類の標準シャフトが用意されていて、ゴルファーのスイングタイプに応じた選択が可能です。
TENSEI FR 60|叩ける・操作性重視タイプ
- シャフトの挙動を抑えた設計で、強く振っても暴れにくいのが特徴。
- 操作性を重視する中・上級者にフィットしやすく、低スピンの強弾道を狙える。
TENSEI GR 50|しなりと加速感を活かす弾き系タイプ
- 手元と先端のしなりを活かした設計で、加速感とつかまりの良さが際立つ。
- トルクが大きめで、やさしく飛ばしたいゴルファーに向いている。
- 硬さはS・SR・Rの3種類があり、幅広い層に対応。
RMX DD-1・DD-2ドライバーの価格と購入方法
DD-1、DD-2ともに、メーカー価格は 96,800円です。ちなみにヘッド単体だと63,800円です。発売日は、2025年10月24日です。
ネット市場価格の最安値は、楽天で77,440円で出品されています。ヘッド単体は51,040円です。
RMX DD1・DD2ドライバーの外観・スペック
RMX DD1ドライバー
ロフト角 | 9°、10.5° |
---|---|
ライ角 | 59.5° |
ヘッド体積 | 450cc |
長さ | 45.5” |
クラブ重量 | 310g |
ウェイト重量 | 10g |
操作性と強弾道を両立する中・上級者向けモデルです。
コンパクトな450ccヘッドに浅重心設計を採用し、叩ける強弾道が特徴です。
寛容性が加味されていますので、前作より扱いやすさが向上しています。ピーキーさを抑えた設計で、これまでの上級者だけでなく中級者にもフィットしやすくなっています。
RMX DD2ドライバー
タイプ | DD2 |
---|---|
ロフト角 | 9°、10.5° |
ライ角 | 59.5° |
ヘッド体積 | 460cc |
長さ | 45.5” |
クラブ重量 | 310g |
ウェイト重量 | 10g |
やさしさで飛ばすアベレージ層向けモデルです。
最大体積460ccヘッドで安心感があり、高弾道・直進性に優れています。
高い寛容性により、ミスへの許容度と直進性が高く、ややスライス傾向がある方、飛距離を安定させたい方におすすめです。
まとめ
RMX DDシリーズは、飛距離と方向性を両立する“DD=Distance & Direction”という新たなコンセプトのもと、2タイプに再構成されています。
DD-1は操作性と強弾道を求める中・上級者向け、DD-2は寛容性と直進性によるやさしさが備わった中級者〜アベレージ層向けで、アスリートブランドながら幅広いゴルファーに対応しています。