タイトリストの2023年モデルの「Tシリーズ」アイアンについて、T100・T150・T200・T350の4機種の違いをまとめました。
2023 TシリーズアイアンのUSモデルは4機種
タイトリストのTシリーズアイアン(USモデル)の2023年モデルです。USモデルも日本モデルもラインナップに差はなく、全部で4機種あります。
左からアスリート性の強い者から順位並んでいます。
- T100アイアン
- T150アイアン
- T200アイアン
- T350アイアン
前作のTシリーズのアイアンは全部で5機種ありますが、もっともアスリート性の弱いT400アイアンは後からリリースされていますので、今作もT400以外が先にリニューアルされたようです。
モデル | 特徴 |
---|---|
T100 | 鍛造のデュアルキャビティアイアン。下方のキャビティにはタングステンを搭載。 |
T150 | T100アイアンをベースにしていて、ロフト角は2°ストロング。 |
T200 | 中空構造で飛距離性能と球の上がりやすさに優れている。 |
T350 | 中空構造でT200よりもヘッドサイズが大きく、寛容性と飛距離性能がより高い。 |
2023 TシリーズアイアンのUSモデルのヘッド形状の違い
T100・T150・T200・T300
Tシリーズアイアンは、構造面でみるとT100・T150、T200・T350で異なっています。
T100とT150は鍛造のキャビティバックアイアンになっていて、打感の良さが備わっています。
タイトリストのツアープレーヤーたちが利用しますので、アマチュアの方はアスリートゴルファー向けとなります。
T200とT350アイアンは中空構造になっていて、ヘッド内に飛び・寛容性の仕組みが搭載されています。T200アイアンはせみアスリートゴルファー向け、T350アイアンはアベレージゴルファー向けとなります。
T100・T150・T200・T300
フェース面の形状は、T200、T350のやさしいアイアンになるにつれ、左右方向に面長になっています。
ヘッドが大きくなることで安心感が得られるのと、実際に重量が配分されることで左右方向の寛容性が高まります。
またネックのソケットの位置を見比べると、T200、T350では低くなっていて、ホーゼルが短く抑えられています。アイアンは、ネック側に重量が集中しやすく、それにより重心が高くなり、フェースセンターと芯がズレる要因となっていますが、T200、T350ではネックを短くすることで抑えてあります。
T100・T150・T200・T300
ネック形状はどれもすっきりとしていて、T100はきれいなストレート、そしてT150・T200まではほぼストレートといって良いぐらいの形状です。
T350はトップラインに厚みがあり、オフセットもはっきり視認できるネックとフェースの位置関係で、オートマチックに扱えそうな形状になっています。
逆に言えば、アスリート・セミアスリートゴルファーにとっては、T350は操作が難しそうに見えますので、扱いづらいでしょう。
2023 TシリーズアイアンのUSモデルの特徴・テクノロジーの違い
モデル | T100 | T150 | T200 | T350 |
---|---|---|---|---|
形状 | キャビティ | キャビティ | 中空 | 中空 |
長所 | 操作性 | 操作性 | 寛容性 | 寛容性 |
打出し | 低 | 低 | 中 | 高 |
デュアルタングステンウェイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
バックバー | 〇 | - | - | - |
マッスルチャンネル | - | 〇 | - | - |
マックスインパクト | - | - | 〇 | 〇 |
ヘッド形状の違いでも取り上げた通り、T100とT150は鍛造キャビティ、T200とT350は中空構造で、アイアンとしての性質が大きく分かれています。
さらに、T100にはバックバー、T150にはマッスルチャンネルが搭載され、打感を向上させる仕組みが搭載されています。
一方、T200とT350は、前作にも採用されていたマックスインパクトテクノロジーが搭載され、寛容性の高さが備わっています。
2023 TシリーズアイアンのUSモデルのスペック・シャフトの違い
スペックの違いを比較
▼ロフト角
番手 | T100 | T150 | T200 | T350 |
---|---|---|---|---|
3番 | 21° | 19° | — | — |
4番 | 24° | 22° | 21° | 20° |
5番 | 27° | 25° | 24° | 23° |
6番 | 30° | 28° | 27° | 26° |
7番 | 34° | 32° | 30.5° | 29° |
8番 | 38° | 36° | 34.5° | 33° |
9番 | 42° | 40° | 38.5° | 38° |
P | 46° | 44° | 43° | 43° |
W | 50° | 48° | 48° | 48° |
W2 | — | — | — | 53° |
T100とT150アイアンは、7番で34°、32°とフェースが寝ていますので、ツアープロや上級者向けのスペックです。
T200アイアンになると、7番で30.5°となっていて、飛距離と球の上がりやすさの両方を求める中級者・セミアスリートが扱いやすいスペックです。
T350アイアンは、7番で29°で上がりやすさよりも飛距離を優先させたスペックです。アベレージゴルファーからの目線で言えば、飛距離を少し落として、上がりやすさを少し持たせたスペックです。自分で飛距離は出せる方で、アイアンらしい高さのある弾道に近づけたい方に適しています。
シャフトの違いを比較
シャフト | T100・T150・T200・T350 |
---|---|
AMTツアー WHITE | R300、S300、X100 |
AMT BLACK | R300、S300 |
AMT RED | R300、S300 |
PROJECT X | 5、5.5、6、6.5、7 |
PROJECT X LZ | 5、5.5、6、6.5 |
KBSツアー | R、R+、S、S+、X |
KBSツアーLITE | R、S |
NS Modus3 105 | R、S、X |
NS Modus3 120 | R、S、X |
TENSEI AV WHITE AM2 | S、X |
TENSEI AV BLUE AM2 | R、S |
TENSEI AV RED AM2 | L、A、R、S |
公式サイトで掲載されているシャフトは、各モデルで違いが無く、同じシャフト・同じスペックのラインナップとなっています。
ライ角、長さの設定も同じで、タイトリストらしさが出ています。
T100 アイアン 2023
T100アイアンは、シリーズ中で最もアスリート向けタイプのアイアンで、契約ツアープロの殆どの選手が主要アイアンとして使用しています。
鍛造製法によりフィーリングの良さがありつつ、デュアルキャビティの下方にはタングステンを搭載していて、重心(CG)が正確に調整されています。
7番アイアンのロフト角は34°で、球をしっかり上げて狙えるスペックになっていますので、自分の技量でしっかり距離が出し切れる方向けのアイアンです。

T150 アイアン 2023
T150アイアンは、外観から分かる通りT100アイアンとほぼ同様の構造・テクノロジーが採用されています。
ロフト角は全番手に渡って2°のストロングになっていて、飛距離性能を高めてあります。
鍛造製法による打感を重視しながらも、飛距離性能を少しクラブに頼りたい方に適しています。
ツアープロによる使用状況を見ると、ロングアイアンとして採用されていますので、上級者の方が上の番手だけ使ってみるのも面白いでしょう。

T200 アイアン 2023
T200アイアンは、前作同様に中空構造が採用されています。
中空内部にはタングステンや寛容性を高める仕組みが内臓されていて、T100やT150よりもオートマチック性が備わっています。
7番のロフト角は30.5°で、飛距離が程よく出つつ操作性もあり、他社でいうとテーラーメイドのP790アイアン、キャロウェイのAPEXアイアン、スリクソンのZX5 MK2アイアンなどが類似・競合モデルとして挙げられます。

T350 アイアン 2023
T350アイアンは、2023年モデルで初めて登場したモデルです。T300とT400の間のモデルのように思えますが、ロフト角だけ見ればT300アイアンと同じ設定になっています。
T200アイアンと同様に中空構造が採用されていますが、ヘッドが大きくロフトも1°前後立っていますので、寛容性と飛距離性が更に高くなっています。
7番のロフト角は29°ありますので、飛距離よりも高さをクラブに頼りたいアベレージゴルファーに適しています。
