ゴルフのツアーを運営しているR&A、USGAは、ゴルフボールのルール適合性のテスト内容に変更を加えることを決定しました。
これにより、現行のボールはテストが厳しくなり、「飛ばないボール」になると言われています。
何故、飛ばないボールにする必要があるか?ルール変更の理由
ゴルフは200ヤード、300ヤード近くボールを飛ばせるスポーツで、飛距離で言えば恐らく最長の競技です。
それが大きな魅力でもありますが、最近の技術革新によりゴルファーの飛距離が伸びていることで弊害も生まれています。
増加する飛距離がゴルフの長期的な持続可能性に与える影響を減じることを目的としています
引用:JPGA
R&A、USGAは上記の表現で理由を説明しています。
分かりやすい例を一つ挙げると、飛距離アップと共にゴルフ場のコース全長も伸ばさざるを得ない状況となっている点です。
コースに長さが求められると、単純にゴルフ場の開発・維持に費用を要したり自然を害することになったり、以前からあるコースでは短すぎてツアープロの会場としては適さないといった問題が生じています。
飛ばないボールは、どれぐらい飛ばないか?
新ルールについては、ボールテストの際の条件変更が定められています。
条件 | ヘッド速度 | スピン量 | 打出し角 |
---|---|---|---|
現行 | 120mph | 2530rpm | 10° |
新ルール | 125mph | 2220rpm | 11° |
新ルールではテストの際のヘッドスピードが上がり、スピン量が抑えられ、打ち出し角が1°アップしています。
この条件変更により、単純に飛距離はアップしてしまうことになるでしょうから、ルール上限の飛距離を維持するためには、ボールの反発性能を下げることが求められます。
そして、この新たな条件の下でのテストに合格したボールは、飛距離がどれぐらい変わるのか(落ちるのか)ですが、トップレベルのロングヒッターで15ヤードぐらいとも言われてます。
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GOLFWRXの飛距離グラフから大凡で読み取ると、概ね以下の通りとなります。
現在の飛距離 | 飛距離低下 |
---|---|
300ヤード | 9~11ヤード |
250ヤード | 5~7ヤード |
230ヤード | 3~5ヤード |
170ヤード | 1~3ヤード |
現在、300ヤード飛ばす方は290ヤードぐらいに、250ヤード飛ばす方は245ヤードぐらいに、200ヤード飛ばす方は197ヤードぐらいということになるようです。
飛ばないボールが適用されるゴルファーと開始時期
まず、飛ばないボールの新ルールが、どのレベルのゴルファーに適用されるかですが、結論から言うと時間差こそあれ全ゴルファーが対象となります。
当初は、プロだけ、プロでも男子だけではないかとも言われていましたが、その噂とは真反対に、女子プロはおろかアマチュアゴルファーにまで適用されます。
そして、新ルールがいつスタートするかですが、これにはやや余裕があります。プロに対しては2028年から、アマチュアに対しては2030年からとなります。
一般ゴルファーとしては、まだ6年ぐらい先の話ではありますが、2028年や2030年にいきなり製品が切り替わるわけではありません。
ある程度、早い段階で新ルールに適応したものが登場することが想定されますし、2028年のプロへの適用を考えれば、遅くとも2027年には市場に出回っているでしょう。
そして、アマチュアへの適用の猶予期間とも言える2028年・2029年の2年間についても、飛ぶボールを使っていても良い空気感があるのかどうかは、その時になってみないと分からないのが実際のところだと思います。