スリクソンから発売のZXi4アイアン。
ZXシリーズから初めて追加された「4」のモデルで、中空構造を採用し、アスリートブランドのアイアンながらアベレージゴルファーにも扱えるモデルとして注目されています。
ZXi4アイアンについて、3つのポイントと適合ゴルファーについて解説します。
▼ZXiシリーズのアイアン3機種の弾道やスペックの違いについては、下記記事に詳しくまとめてあります。
ポイント① SRIXONだが、アスリート向けのアイアンではない
出典:SRIXON公式HP
ダンロップは、アスリートゴルファー向けにSRIXON、アベレージゴルファー向けにXXIOがあり、対象ゴルファーによるブランドを分けています。
しかし、ZXi4については、SRIXONでありながらSRIXONらしからぬところがあり、どちらかと言えばXXIOに近いアイアンです。
メーカーが公表している全モデルのマトリクス表を見ても、ゼクシオXと近い位置にいて飛距離性能は同じだけ持たせていることが分かります。
モデル | ZXi4 | ZXi5 | ZXi7 |
---|---|---|---|
構造 | 中空 | キャビティ | ハーフキャビティ |
フェース | マレージング | クロムバナジウム | 軟鉄鍛造 |
ボディ | ステンレス | 軟鉄鍛造 | |
ロフト角* | 28.5° | 31° | 32° |
ライ角* | 62° | 62° | 62° |
FP* | 3.5mm | 3.5mm | 3.9mm |
*7番アイアンのデータ
素材・構造面でもZXi4は大きく異なっています。
ZXi5とZXi7は適用範囲の差こそあれ、軟鉄と鍛造製法が採用され、構造もキャビティです。
一方、ZXi4は過去の「4」のモデルも含めて、軟鉄・鍛造は採用されず、構造は唯一中空となっています。つまり、アイアンの特徴として、飛距離性能と寛容性を持たせてあります。
7番のロフト角も28.5°で、これだけみるとアベレージゴルファー向けの飛び系とも言えます。実際、ダンロップの契約プロの使用ギアを調べてみると、男子プロ・女子プロの両方でZXi4を採用している選手はいません(ロングアイアンとしての採用もなし)。
対象ゴルファーとしては、スリクソンに憧れがあり、アベレージゴルファーながらアスリートライクなアイアンを使ってみたい、でも難しくないアイアンが良い方だと思います。スコアで言えば100前後の方が十分扱えます。
ポイント② とは言え、3代目はアスリート感が増している
ZXi4をアスリート向けではなく、XXIOに近いと評したところですが、そういった位置づけでありながらも、過去3代の「4」のアイアンの中でみると、アスリート感は増してきています。
▼左から初代、2代目、3代目
こちらは初代から3代目まで、バックフェースの映像を並べたものです。
2020年の初代ZX4アイアンがかなりボテッとしていましたが、2代目でシャープになりました。
3代目は、近年の中空ハイテクアイアンらしく、マッスルバックに近づけた外観になっています。
▼左から初代、2代目、3代目
こちらは横から見た映像を並べたものです。
リニューアルを重ねるたびに、ソールのボテッとした感じがかなり抑えられています。バックフェース側が斜めに大きく面取りされている点も、視覚的にブレード感を強めてシャープに見せる意図が伺えます。
モデル | ZX4 (2020) |
ZX4 MKⅡ (2022) |
ZXi4 (2024) |
---|---|---|---|
FP | 3.0mm | 3.4mm | 3.5mm |
視覚的な面だけでなく、実際にスペックとしてもネック形状がジョジョにストレートに近づけられています。
FP値(7i)は初代が3.0mmで、これはXXIO X(2024)と同じ値ですが、3代目では3.5mmまで大きくなっています。ちなみに3.5mmというのはZXi5と同じ値です。
もし、過去の4のモデル、特に初代であるZX4アイアンをお使いの方は、ヘッドの大きさ、つかまりの良さがきついと感じられているのであれば、ZXi4に変えることで改善される可能性があります。
2代目のZX4 MKⅡについては、それほど大きな違いではないため、もう数世代リニューアルを待っても良いかと思います。
ポイント③ ゼクシオXも合わせて検討したい
最後の3つ目のポイントは競合モデルの話です。
最初のポイント①のところで触れた通り、メーカー公表のマトリクスで見てもXXIO Xにかなり近いことは明らかです。
周辺モデルも含めて、実際にスペックを比較してみましょう。
モデル | XXIO13 | XXIO X | ZXi4 | ZXi5 | ZXi7 |
---|---|---|---|---|---|
ロフト角 | 28° | 28.5° | 28.5° | 31° | 32° |
ライ角 | 62.5° | 62° | 62° | 62° | 62° |
FP | 0.5mm | 3.0mm | 3.5mm | 3.5mm | 3.9mm |
*7番アイアンのデータ
まず、ロフト角を見ると、XXIO Xだけでなく、XXIOレギュラーモデルとも同じぐらいのスペックです。
考えようによっては、XXIO、XXIO X、ZXi4で、同じ28°ぐらいのロフト設定で、FP値により、つかまり・操作性を変えたモデルとも見えます。
▼左からXXIO13、XXIO X、ZXi4
こちらはXXIO13、XXIO X、ZXi4のネックの映像を並べたものです。
FP値に違いがある通り、ネックのグース感には違いがあります。
XXIO XとZXi4は同じぐらいの飛距離性能があり、どちらもカーボンシャフトまで用意されています。
ZXi4を検討される方は、是非、XXIO Xアイアンも検討に含めて、どちらのネック形状が自分に合ってるかを一つの判断材料にされることをオススメします。
対象ゴルファーまとめ
ZXi4アイアンについて、3つの特徴を解説しました。
- SRIXONだが、アスリート向けのアイアンではない
- とは言え、3代目はアスリート感が増している
- ゼクシオXも合わせて検討したい
ZXi4アイアンは、アスリート向けアイアンとして評価の高いスリクソンとしてみると、解釈が難しいアイアンです。
正直なところ、このモデルは必要なのか?と初代モデルの時に思いましたが、2代目からアスリートに寄せてあり、近年の中空ハイテクアイアンらしさも出て来ています。
あとは、折角ダンロップというゴムメーカーなのですから、キャロウェイやテーラーメイドのように制振材を入れて打感を向上させて、もう少しロフトを寝かせて操作感を上げると、スリクソンらしいアイアンになるかなと思います。
対象ゴルファーとしては、主に以下の特徴を持った方になります。
- スリクソンというブランドに憧れがある方
- アスリートライクな見た目が良い方
- でも、飛距離とやさしさは、まだまだ欲しい方
該当される方は、是非、試打して相性を確認してみてください。